お供の狐がいなくなってから、鳴狐はめっきり喋らなくなった。
元々無口な奴だったが、よほどショックだったのだろう、ずっと自室に籠ってしまっている。無理もない、あんなに仲が良かったのだもの。
元々刀剣の少ない本丸である。皆遠征部隊の傷の手当てやら戦利品の整理やら記録やらで大忙しだから、狐1匹いなくなったことなど誰も気がつかない。
可哀想に、4日前から部屋に運んでやっているご飯にも手がついていない。ずっと部屋の隅に座りこみ、同じ格好でじっとしている。
昨日はネズミが彼を齧ろうとしていたので追い払った。
早くお供の狐が帰ってくれば良いなぁと思う。
スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。