スコーンをもっと作っておけばよかった。

血の上を歩いた猫を洗うのをキャゼルヌは面倒がるだろうから、元帥は洗濯ネットに入れて籠の中に入れておいた。さっきまで出せと鳴いていた彼も流石に疲れて諦めたらしい。
ユリアンに置き手紙を残そうか迷ったが、やめた。夕飯のありかくらいわかるだろう。彼は賢いのだ。
洗濯物をどうしよう。今日の世界は曇っているから、まだ乾いていないと思う。
それに洗濯籠には元帥を入れてあるから、だめだ。
恐ろしいことをしました。
蜂蜜のビンをしまっておくべきだった。出しっぱなしにしておくのと後で拭かなきゃならないなら前者の方が、良いかな。
部屋はいつも静かすぎて、一人分の鼓動が消えたのを感じるには充分すぎる。
どこまでも穏やかな表情にキスをしようか迷った。
私は血だまりに落ちた包丁を拾って、自分の首筋にあてる。
私は世界の、たかが数十年の平和すら願えない。彼が結局何のために願ったのかすら分かれない。私も紅茶が好きだった。
私はヤン・ウェンリーを殺しました。


スポンサードリンク


この広告は一定期間更新がない場合に表示されます。
コンテンツの更新が行われると非表示に戻ります。
また、プレミアムユーザーになると常に非表示になります。